サッカー中の膝のケガの種類と治療法
日体協公認ATのサッカートレーナー、愛知県高浜市の石川です。
前回は膝の痛みの中でも、繰り返し動作によって起こるスポーツ障害についてご説明しました。続く今回は、突発的な事故による膝のケガ、スポーツ外傷についてです。
膝のケガ
by The Bay Area Bias
サッカー選手によくある膝周りのケガとしては、
・膝をひねったせいで痛みや腫れ、膝の曲げ伸ばしができなくなる「半月板損傷(はんげつばんそんしょう)」
・相手とインサイドで蹴り合った時などに起こりやすい「側副靭帯損傷(そくふくじんたいそんしょう)」
・ジャンプの着地時に膝を内側にひねるなどして発症しやすい「前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)」
などがあげられます。
膝のケガの予防法
こうしたスポーツ外傷は突発的な事故なので、それ自体を回避することは困難です。
ですが、スポーツ障害同様、筋肉や関節の柔軟性を高めたり、疲労を溜めなかったりすることで、ケガをする確率を減らすことは可能です。
また、ケガの少ないプロスポーツ選手は、インナーマッスル(深層筋)が強い、とも言われています。
膝のケガの治療法
では、実際にケガをしてしまったら、どうすれば良いのでしょう?
ケガをした現場での応急処置の基本は、RICE処置と呼ばれる「Rest(安静)」「Ice(冷却)」「Compression(圧迫)」「Elevation(挙上)」です。
ケガをした直後は、膝が腫れ上がったり熱を帯びたりして激しい痛みを伴いながら、急性の炎症が広まっていきます。そのため、すぐに膝に負担がかからない状態で休ませ、氷などで患部を冷やすことが重要です。こうした処置が早ければ早いほど、症状の悪化も抑えられますし、その後の回復も早めることができます。
また、痛みや違和感が続く場合は、自己判断せずに早めに整形外科で診断を受け、接骨院などを併用しながら、治療とリハビリに専念するようにしましょう。
さらに、膝の痛みにより通常の練習ができない時であっても、単に見学しているだけでなく、上半身の筋トレや心肺機能の強化等、できるトレーニングを行なうことで、早期復帰を実現したり、今までにないプレースタイルを身につけられるなど、ピンチをチャンスに変えることができます。